ご挨拶

第28回日本嗜癖行動学会仙台大会にあたって

平山 和美

第42回日本神経心理学会学術集会を平成30年9月13日(木)より14日(金)までの2日間の日程で、山形県山形市において開催させていただきます。

私たちが神経心理学的症状を理解することは、脳の仕組みの解明、疾患や病態の発見、治療、リハビリテーションなどにとって重要です。また、治療者が説明したり患者さんやご家族と共に理由を探ったりして、症状についての理解が得られると、本人やご家族の対処行動が著しく改善することが多くみられます。その理解をもとに自ら工夫した代償手段を、私達に教えてくれる患者さんやご家族もいらっしゃいます。このように神経心理学は、当事者と研究者の共同作業という側面がつよいと考えます。本学術集会は、そのような営みに役立つ新鮮な情報を供給し続けてくれます。魅力的で役に立つ神経心理学の世界を、会員の方々はもちろん、なるべく多くの非会員の方々にも味わっていただきたいと考え、集会のテーマを「神経心理学よいとこ一度はおいで」といたしました。

皆様のご協力のおかげで、100を超える一般演題で発表していただけることになりました。どの演題も興味深く、ご発表がとても楽しみです。特別講演では、岩田 誠先生が「Dejerine夫妻とPierre Marie ~偉大な神経学者たちの大間違い~」と題して、神経心理学の黎明期の巨人達の論争のエピソードをもとに解剖学の大切さについてお話しくださいます。いつもの岩田先生のように、今回も豊かな味わいと余韻のあるご講演になると思います。また、森 悦朗先生が「神経心理学の役割」と題して、神経科学や臨床研究に対するこの学問の今日的な使命についてお話しくださいます。先生の熱い思いが伝ってくるご講演になると思います。教育セミナーでは、鈴木匡子先生に「注意障害の不思議」、船山道隆先生に「前頭葉障害の不思議」、早川裕子先生に「行為の障害の不思議」と題して、貴重な動画を用いてご講演いただきます。眼を見張り、不思議さに引き込まれる時間が待っています。また、数井裕光先生には「認知症の行動・心理症状の理解と治療・対応」と題してお話しいただきます。介護者の方々からの情報を募り、行動・心理症状に対する奏効確率の高い対応法を抽出し公開する「認知症ちえのわnet」のご紹介もあります。これこそ、当事者と研究者の共同作業である神経心理学のあるべき姿の一つではないかと考えます。

開催場所は山形県立保健医療大学キャンパスです。キャンパス周辺には宿泊施設はありません。山形駅付近に宿をおとりください。山形駅内は2階通路で行き来できます。駅からキャンパスへは約8kmと遠く、公共交通機関の本数も多くありません。朝夕はシャトルバスを用意いたしますが、ご不便をかける場合があるかもしれません。ご容赦いただければと存じます。近くに飲食店も少ないので、お昼時には山形名物の芋煮、玉こんにゃくを無料提供させていただく他、お弁当などの販売も行う予定です。フロアでのディスカッションも重要な勉強の機会と考えますので、各会場の近くに(食事などをしながら)お話しのできる席を多めに用意いたします。

集会後、山形の夕から夜を心置きなく楽しんでいただくためにも、よろしければ気軽な服装でおいでください。

山形の秋の味覚とともに皆様のおいでを心よりお待ちしております。

平成30年8月吉日

第42回 日本神経心理学会学術集会 会長 平山 和美 (山形県立保健医療大学)

山形名物のご紹介

  • 芋煮芋煮:里芋、牛肉などが入ります。醤油味です。収穫祭の意味があります。
  • 芋煮玉こんにゃく:醤油味、するめ出汁です。究極のダイエット食品です。